原価は下がった。なのに、なぜ売り場はつまらなくなったのか?

2026.09.30

おはようございます。

ディマンドワークス齊藤です。

これも「大人のタイパ」ですかね~

詳しくは編集後記で……

さて、本日も

コンサル現場やイベントなどで

業界関係者の方々と話題になった

業界の気になるトピックをご紹介します。

今回のテーマは

原価は下がった。

なのに、なぜ売り場はつまらなくなったのか?

です。

少しでも

日頃のお仕事や

情報整理のお手伝いになれば幸いです。

【目次】

1. 原価は下がった。

なのに、なぜ売り場はつまらなくなったのか?

2. 編集後記

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【1】原価は下がった。

   なのに、なぜ売り場はつまらなくなったのか?

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業績が悪くなってくると

組織を変える会社があります。

それまで

事業別やブランド別だった

縦割り組織を

効率が悪いから

「横串を通そう」

と機能別組織に組み替える。

しばらくすると今度は

「縦割りにして

お客様の要望に応じて

柔軟に意思決定できるようにしよう」

と、再び事業別、ブランド別の

縦割り組織に戻す。

そんな光景を

何度も見てきました。

では、組織は

「縦」がいいのでしょうか?

それとも

「横」がいいのでしょうか?

特にアパレル企業で

横串化を進める時に

よく聞くのが

「素材を共通化すれば

もっと原価を下げられる」

「各ブランドが

バラバラに仕入れるより

まとめて交渉した方が

バルクメリットが出る」

という話です。

確かに、その通りでしょう。

同じ素材をまとめて

大量に発注すれば

仕入れ価格は下がるでしょう。

取引先も集約でき、

業務効率も上がるかもしれません。

ところが

私はこれまで

そうやって効率化を進めた結果

売り場の商品が

似たものばかりになり

以前ほど売り場が

面白くなくなってしまった会社を

何社も見てきました。

原価は下がった。

業務効率も上がった。

でも、商品が売れなくなった。

お客様から見れば

どのブランドも

似たような商品になってしまったり

売り場対応の

融通が利かなくなったりする

からです。

すると

プロパー(定価)で売れなくなり

値下げが増え

在庫が残る。

数百円安く仕入れるために

結果として

1,000円以上値下げして売っていたら

何のための

効率化だったのでしょうか?

ここで思い出すのが

ZARAを展開する

インディテックスグループです。

以前、ZARAについて

取材をしていた時に

とても興味深い話を知りました。

インディテックスは

ZARAの他にも

複数のブランドを展開していますが

ブランドごとの商品企画機能は

完全に独立しています。

本部も別々の場所に置かれ

ブランド間で

商品企画について

情報交換をすることも

基本的にありません。

当時、

元社員の方にも確認したところ

ブランド間での交流や情報交換は

一切ない

という話でした。

普通に考えれば

同じ会社なのだから

「もっと情報交換した方が

効率がいいのでは?」

とも思います。

売れた商品情報の共有や

素材の共通化、

企画ノウハウの共有などをした方が

気づかなかったことに気づき

メリットがありそうにも思えます。

しかし

彼らが優先しているのは

社内の効率より

それぞれのブランドのお客様を見ること。

そして

そのお客様の需要の変化に

いかに早く反応するか

ということでした。

一方で

インディテックスは

何でもブランド別に

縦割りにしているわけではありません。

物流インフラや

各国の店舗開発など

ブランド間で

共通化できるものは

横串にして活用しています。

ここに

組織を考える上で

大事なヒントがあるように思います。

「縦がいいか、横がいいか」

という議論ではなく

「何を縦にして

何を横にするのか」

という議論です。

私は小売業の場合

お客様を起点に

店舗、MD、商品企画、そして生産まで

市場の需要に応えるための流れは

できるだけ

「縦」につながっている方がいい

と考えています。

なぜなら

今日、店頭で起こっていることを

できるだけ早く

新商品や追加生産に

反映するためです。

一方で

物流、IT、システム、店舗開発など

その流れを支えるインフラは

横串を通すことで

大きなメリットが得られます。

また

業務の標準化が必要な時も

横串を通して

全社でベストプラクティスを学びあうことは

有効でしょう。

私がよく支援している

クライアント先の

在庫のディストリビューション業務の

標準化もそのひとつです。

ブランドごとに

お客様を起点とした

縦の意思決定スピードを第一に考える。

一方で

ブランドごと、担当者ごとに

バラバラになっている

スキルやノウハウについては

横串のプロジェクトを組んで

ベストプラクティスを共有し

標準化していく。

これも

「縦」と「横」を

使い分ける一例です。

つまり

「需要に素早く応える機能は縦」

「それを支える基盤や標準は横」

という考え方です。

もうひとつ

横串化を検討する時に

ぜひ考えてみたい問いがあります。

「それを共通化した時に

お客様から見える、感じる価値は変わるか?」

ということです。

例えば

システムを共通化しても

お客様から見た商品の魅力は

変わりません。

物流を効率化しても

ブランドの商品が

同質化するわけではありません。

しかし

素材、デザイン、品揃えまで

効率を理由に共通化していったら

どうなるでしょうか?

会社にとっては「効率」でも

お客様にとっては

「選ぶ楽しさ」や「変化」を

失うことになるかもしれません。

企業の中にいると

どうしても

原価率やコスト、業務効率といった

社内から見える数字に

目が行きがちです。

しかし

小売業はあくまでも

お客様に喜ばれてなんぼです。

会社の中を効率化することによって

お客様から見た魅力や

需要へのレスポンスタイムを

犠牲にしていないか。

組織を変える時には

そこを忘れてはいけないと思います。

私はこれを

「フローは縦に、標準は横に」

と考えるようにしています。

横串を通すことが

悪いわけではありません。

問題は

横串を通す場所を

間違えていないか

ということです。

さて、今回のエピソードを読んで

皆さんはどのようなことに

気づかれたでしょうか。

皆さんの会社では

「横にした方がいい仕事」と

「絶対に縦につないでおくべき仕事」を

きちんと分けて

考えられているでしょうか?

ご意見、ご感想、ご相談がありましたら

お気軽にこちらまでご返信ください。

taka-saito@dwks.jp

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【2】編集後記

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5連休となった

シルバーウィークの前半は

首都圏は大雨でさんざんでしたが

後半は

天気に恵まれた長野県白馬で

過ごすことができました。

ここ数年の

ワーケーションや余暇は

宿泊はAirbnbなどを利用し、

現地の生活感を感じられる

民泊に泊まり

現地での釣りなどの楽しみは

現地でガイドさんを見つけて

お願いするようにしています。

しかも行く度に

毎回、同じ民泊に泊まり、

同じガイドの方にお願いする。

少し費用はかかっても

ネットやAIではわからない情報が得られ

現地を詳しく知る方々と過ごすことで

現地のことが10倍わかる感じがします。

限られた時間の中だからこそ

我流でやらずに

費用をかけてでも

ガイドをお願いして

情報の質を求める。

これが僕の

「大人のタイパ」です。

旅行ではありませんが、

美術展や博物館に行って

新しい世界に触れる時も

必ず有料音声ガイドサービスを

利用することにしています。

今回も最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

次回もお楽しみに!